建築、と言われて、ピンとくるものは何でしょうか。家、寺、工場、学校、身の回りにはいろいろな建物があるけれど、それらを押しなべて、建築と呼んでしまって良いのでしょうか。「領分や国や文化によってちがってしまったさまざまがまだ分化する以前までたどりつきたい、そこまで遡ってから作ってみたい」と、藤森照信さんは言います。とは何か、という疑問符には、期待しているような唯一の明確な答えは無い気がします。その問いも、求めている道も、時代を超えてあるものだから、見つけられた欠片は、古くても新鮮で、新しくても懐かしいのかもしれません。