繁茂する植物たちを眺めていると、名前の知らない花や草木と出会うことがあります。調べる手がかりとなるような分かり易い特徴があれば良いですが、そうではないと次に見たときには気づけるかどうか…。そんな植物の、朧げで消えてしまいそうな印象でも、季節のめぐりを伝えてくれる大切な記憶となっていきます。そして、植物にも死があります。腐敗とは違う、枯れゆく過程があり、その最期があるのです。生の側から死の側へ、朽ちていくときの脆弱な姿の際立ちに息をのみます。その死は、連綿とつづく生のかたちをなぞっているのでしょうか。