イ・ラン 訳:呉永雅『悲しくてかっこいい人』(リトルモア、2018)

日常は、笑いや楽しさだけで過ぎていくわけではありません。むしろ、痛みや悲しみのほうが多いかもしれません。おおよそ特に、都市での暮らしは、鈍感になること、目を閉じることが求められる気がします。そして、そのことをことさら口にはしないようにして生きていくのです。 ─わたしたちはただ静かに歩いて家に帰っていく。重たい靴の中で小さな足の指たちを動かしながら─ どこかで無理を生じていることを知りつつ、でも、まだこのままで居たいとも思っていて。問いが、またひとつ生まれてくるのです。
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