須賀敦子『須賀敦子詩集 主よ 一羽の鳩のために』(河出書房新社、2018)

いつも、ただひとりのことを想い、言葉を綴ります。ちゃんと届いているのでしょうか。敬虔であったとしても、ときには不安や迷い、たよりの無いことへの淋しさがつのることもあるでしょう。でも、きっと大丈夫です。折々の光、空気、水、木々や花々、そのなかで生き抜いているいきものたち。身のまわりにあるものどれもが、ほんもののまねでさえなければ、どこかで必ずそのひとと出会うことができるはずです。ただ一点を見つめていれば、あらゆるところから、ひとりではないのだと、語りかけてくるのです。
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