吉田篤弘『あること、ないこと』(平凡社、2018)

作業をしているときに、特に聞こうとしているわけでもないが、ラジオを付けている、そんなふうに文字を、本を、読むことはできるのでしょうか。辞書を開くと、知らない言葉が目に飛び込んできて、その言葉の姿形、意味、用例を眺めているうちに、気になる別の言葉が現れて、ぱらぱらとページをめくって次を読む、これは読書と呼べるのでしょうか。事実も虚構も、はじまりがあって終わりがある、とはいえそれらは薄ぼんやりとしていて、ふいに巻き込まれているし、気がつけば逃げ切っていたりたどり着いていたりするのでしょう。きっと読書が、新しくなります。
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