グッドナイト。一日の終わり、あるいは、別れの言葉を口にします。都市生活の響きがちょっと感じられて、眠りに落ちるまでの、さまざまな情態のざわめきまできこえてくるようです。そんな言葉を合図に、目を閉じて、何を思うのでしょうか。その日したこと、映画でみたワンシーン、特に気に留めてさえいなかった情景が、急に鮮明に現れてくるかもしれません。そのときの、目線、仕草、表情、そしてそれが表す感情までも。現実と夢とのあいだで、特定の誰かと不特定の誰かの、同じ記憶が混ざり出してきて、わたしだけではない、そのことを知り、きっと、穏やかな眠りが訪れます。