もりむらやすまさ『たいせつなわすれもの』(平凡社、2014)

無いと思っているもの、感じられないもの、大人になって忘れてしまったものが、ありはしないでしょうか。それはきっと、とても大切なものです。無理に何かを成し遂げようとして、見たくないものを覆い隠し、役に立たないものを捨て続けて、いったい何が残ったのでしょう。石の本や紙切れ、ゴミ、無意味な言葉、それらは深みや本質のようなものを備えているのだから、高尚なものとして捉えよ、という命令形ではありません。もっと素朴な、戸惑いや疑問、驚きがあるはずです。忘れたことさえ忘れた、未知と出会います。
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