文:森田真生 絵:脇阪克二『アリになった数学者』(福音館書店、2018)

数を数えられることは、他の生きものより上に立てることなのでしょうか。世界をより確かに、身近に触れることができるようになるのでしょうか。人間に比べて、アリでもダニでも他の生きものの生きる世界は、貧しい、と形容されることも少なくありません。自分自身の輪郭が無く、周囲と一体だとしたら、言葉に、数に表さなくても直接感じられていた、見えていた風景があるように思います。それでも、1に気が付いて、輪郭が強く刻まれたのです。だから、想像をする、そして、姿の見えない絵を描きます。
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