食べることと風景がつながってある、そのことさえも忘れてしまいがちです。田んぼや畑の広がりも、季節によって変わる色や形も、これまでとこれからの食事とは関係の無い、視覚的に眺める対象でしかないかのようなのです。いつも食べる、ごはん。あたりまえすぎて気にかけないときも少なくないけれど、ふいに、やっぱりおいしいとしみじみ感じます。炊き上がったお米の姿だけで、ひとつの絵になって、それを見れば顔がほころんでしまいます。よく噛み締めて、一年という時間がめぐったこと、それが繰り返されていることを、深く味わいます。