フランツ・カフカ 訳:酒寄進一 絵:ヨシタケシンスケ『カフカショートセレクション 雑種』(理論社、2018)

もしかしたら読めなかったかもしれない作品群は、誠実な裏切りによって、こうして読めるかたちに残されています。同じ始まりから同じ終わりに至る間で、作品だけが不可逆的に残されることに対して、首を横に振ったのでしょうか。読むあいだ、俯瞰することはできなくて、それでも進んでいるうちに言葉は積もり重なってきます。なのに、区別が明確になるどころか、どんどん混ざり合って違いが分からなくなってくるようです。さまざまな意味や命題を読み取ることもできるけれど、読んでいるそのときの実在に、対峙してみます。
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