石川直樹『極北へ』(毎日新聞出版、2018)

いつも目にする地図のなかでは、上の方でまっすぐに並べられ、引き伸ばされている領域が、極北、と示される場所です。だから、北極をまんなかに、球体として眺めると、島々の関係、大きさや印象が別のものに思えてきます。厳しい寒さ、澄み切った空気、誰だって気持ちが高まる景色がそこにはあるはずです。広大な土地に対して人口は少なく、だからこそ動物たちと、過酷とも言える自然と、近しく同じ目線で互いに生きているのでしょうか。暮らした者にしか見えない何か、想像することは、足でしか獲得できないのかもしれません。
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