岸政彦『街の人生』(勁草書房、2014)

人にはそれぞれの生き方がある、ということはいつか教わったようで、ずっと当然のこととして分かってはいる気がしつつ、あくまでも字面での理解にとどまってしまっていることではないでしょうか。出自や経歴、型にはめてしまうのは簡単です。たしかに、対面した相手、いまいる場所によって、見せる顔なんて簡単に変えてしまうのだから、ひとりの人の全体を知ることは容易ではありません。さらけ出せる信頼関係、まったく無関係な匿名性。あいだの領域で生きているから、はじっこまで想像をめぐらせます。
TOPへ