イーフー・トゥアン 訳:山本浩『空間の経験 身体から都市へ』(筑摩書房、1993)

空間と場所、似ているような二つのひろがりがあります。空間は、誰にとっても等しくあるようで、場所は、もっと個人的な手触りがあるような気がします。そのくせ、なんとなく仕切られていないと空間という感じがしなくて、場所ははっきりと境目を描かないままに抱えているのではないでしょうか。人が居ないほうが空間は際立って作られるかもしれないが、人々が座りこんだり談笑したり、何気ない活動がないと、場所として馴染んでいきません。こうして考えていることと、思考の伴わない日常の経験との間で、ひろがりは凍っては溶け、近づいては離れていきます。
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