マルティン・ハイデッガー 訳:細谷貞雄『存在と時間 上下』(筑摩書房、1994)

本を読んでいたり、仕事をしていたり、寝転んでぼんやりとしていたり、雑踏のなかを足早に歩いていたりする、そのときの自分は、意図してそうしていたけれど、いつの間にかその場に置かれてしまった気もします。意志が介在しようがしまいが、いろいろなことと関わってある自分を、受け入れているのではないでしょうか。見聞きして知っていたって、自らにおいては何が起こるのかが分かり難い事柄も、そのまま保留しながら一緒に歩んでいるのです。日常に、投げ出されながら包まれてある、そんないつもの時間の姿を想像します。
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