長坂常『B面がA面にかわるとき 増補版』(鹿島出版会、2016)

建物や室内を改装するとき、まずはいまあるものを壊して取り外し、そのうえでこれまでのことなど無かったかのように、使われてきた手垢を残さず、新しい姿が与えられるのです。それでも、気がつかないところに、先にあった形が、その磁力が、働いているのではないでしょうか。新しく建てるときだって、同じでしょう。何もない、どことも関わりを持たない土地なんて無いのだから、そのときは見えなくても、地霊みたいな存在が隠れているのです。その声が聴こえると、一般的には否定されてしまう特徴でも、受け入れることができるのかもしれません。
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