島田潤一郎『90年代の若者たち』(岬書店、2019)

─六畳一間の部屋には、いつもモノが溢れていた─ 右肩上がりとは言えなくなったけれど、目立って足りないものは、もうなくなっていたかもしれません。いや、むしろなんでも所有していて、過剰さが際立っていたように思います。物質的に触れられるもの、自分の物として購入して手に入れるもの、地域や学校という小さな環境のなかで、それぞれの城を築いていったのです。たくさんの憧れと、つきまとう虚無感を抱えながら。ますます同じでばらばらに広がっていけるとき、年代という現象は描き直せるのでしょうか。
TOPへ