原口剛『叫びの都市 寄せ場、釜ヶ崎、流動的下層労働者』(洛北出版、2016)

その日の仕事を探し、一日働いて安い宿に身を置き暮らす。仕事がなければ、あるところを探して別な場所に向かう。仕事が先か、泊まる場所が先か、そうしたひとびとが多く集まる場所がありました。と、過去形で記すことに、引っ掛かりを覚えるでしょう。「貧民がさまよう姿は、ビジネスや消費者を不愉快にさせてしまわないよう、用意周到に視界からかき消される」と、原口剛さんは書きます。きれいに整えられたように見える街並みで、だれもが身動きが取れなくなっているのかもしれません。自前の空間を拵える、空間に縛られないために。
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