保坂和志『考える練習』(大和書房、2013)

毎日のなかで、考える時間がどれくらいありますか。何を買おうか悩んでいるとき、試験問題を解いているとき、仕事中にすばやい判断を要求されたとき。どれもたしかに頭をつかって答えを探していて、そこで求められることは、より正しい答えを導くことでしょう。でも、そうしてたどりつくゴールが、そもそも不明瞭だったり、ひとつではなかったりする場合、考えることを放棄してしまうかもしれません。本を読んでいる、そのときにしかない時空に身を置くように、寄る辺なく、はっきりと言葉にできなくても、考えつづけるのです。内なる声が、それを無駄だと言ってきても。
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