手間をかければ良いわけではない、昔ながらの古さがすべてではない。それでも、いろいろ省いても、楽にはなった気がしないし、次から次へと新しいものに手を出しても、心地良さが感じられないのです。 -私たちはどこへ行くのだろう?- 時を重ねて生まれた空気だったり、反復されて醸成された作法だったり、磨かれてできた、それぞれの店の思想があります。それは、懐かしさを感じるような雰囲気だけを、昭和という元号で形容しただけでは味わい尽くせません。いまでも、いまだから通いたくなる、そんなお店が、きっと近くにもあるはずです。