高橋源一郎『ゆっくりおやすみ、樹の下で』(朝日新聞出版、2018)

─どうしておとなは、自分の子どものころをすっかり忘れてしまい、子どもたちにはときには悲しいことやみじめなことだってあるということを、ある日とつぜん、まったく理解できなくなってしまうのだろう─ ずっとむかしのことや、見えていないはずものまで見えている、ぬいぐるみや老いた動物たち。静かにそこに佇んできた、木々や建物。過去のことは、だれかが忘れずにいる必要があるのかもしれません。血のつながりや故郷でなくたっていい。ゆっくりと、身をあずけて、まるっと肯定してくれるところが、見つかりますように。
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