篠原一男『住宅論』(鹿島出版会、1970)

住宅をつくるうえで、まわりの環境のことはもちろん、住む人が求める内容を考慮して設計されると思うでしょう。しかし、篠原一男さんは、「個人的な条件をいかに捨象して一般的なものをつかみとるか」を住宅設計の大切な条件だと言います。きっと、捨て去ることが本懐ではなく、個々の些末な事象に押さえつけられずに普遍的なものに至ることを求めたのです。数えきれないほどあるうちの、たったひとつの建物がもつ、影響力の大きさとはいかなるものでしょうか。つくり手の、今日の、あたらしい様式の出発点となるために。
TOPへ