フィリパ・ピアス 訳:高杉一郎『トムは真夜中の庭で』(岩波書店、2000)

あっという間に成長し、あっという間に老いていく。時間はだれでも等しく流れているようです。時計は正確に、一刻一刻、そんな流れを細かく切り分けて、リズミカルにいまを教えてくれます。 ─夜とひるとのあいだに、自然が眠っている時間がある─ 灰色の時間に、異界とも言える場所への道が開かれるのかもしれません。刻まれた時の、そのあいだに、はらりと落ちた灰色が、それに気づいたひとたちを結びつける。触れようとしても、するりと通り抜けてしまう、どちらの存在が、確実にあると、言うことができるのでしょうか。
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