岡啓輔『バベる! 自力でビルを建てる男』(筑摩書房、2018)

何度もくりかえし記される、「即興」という言葉。演奏や踊りなどとは相性が良いですが、なんと建設とはかけはなれた言葉でしょうか。設計図を描いて計画通りに作り上げる、むしろ、そうでなければ見えない規制に反してしまっている、そんな気にさえなります。とはいえ、思いつきで何でもできるわけではないはずです。過去に見た建築や、素材が出せる表情、諸力との拮抗。その都度、現れる必然性が、ある形を少しずつ生み出していくのかもしれません。つくる悦びが導き手となって、また、次の舞台に立つのです。
TOPへ