小島聖『野生のベリージャム』(青幻舎、2018)

読みながら、自分もどこかへ歩き出したいと思うこともあれば、前を向いた活力に、少し身を引いてしまうこともあるかもしれません。しかし、場所を問わず、日常とともにある食べものが、ひとを生かし、日々を新たにしてくれているようです。過酷な環境に立っていても、穏やかな空気に包まれていても、背負った限られた食料から、文字を追うだけでも美味しそうなごはんが作られていくのです。訪れた土地の特別な食材のとき、登山用のインスタント食品のとき。自然が見せる雄大な光景を味わうように、食事はいつでも悦びに満ちています。
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