小山田浩子『庭』(新潮社、2018)

─小さな虫が作る水面の輪っかがぽちり、ぽちりと揺れ動いて、耳を澄ますと、ちゃらちゃらという水音に混じってぷつぷつという何かが弾ける音が聞こえます─ みっちりと、文字は、詰まってそこにあります。心情も風景も動作も会話も人も動物も植物も無機物も、紙の上では文字として等しく並べられることになります。因果関係がひとつひとつ完璧に導き出せないように、すべてを明らかにしなくても納得がどこかで生じるように、違和や不穏は、そこここに平然ところがっているのかもしれません。いつもそれらは、隠されていたり、見て見ぬふりをされたりするでしょう。
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