中井久夫『中井久夫集7 1998-2002 災害と日本人』(みすず書房、2018)

自然からもたらされるとき、人の手によって為されるとき。特定の誰かが狙われることもあれば、誰しもに降りかかることもあります。目に見える被害が大きかろうが小さかろうが、災害によってどこかが傷みます。何年、何十年が経っても消えない、心に負った傷があるのです。他人の傷みは分からないかもしれないが、想像することはできるはずです。つまり、傷から、共感のような他人と通じる道がひらけると言えます。しかし、傷を負わせた側のことは分からないままです。被害と加害のあいだはあるのでしょうか。
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