上間陽子『裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち』(太田出版、2017)

現在、おおよそのひとが暴力でおさえつけられているわけではなく、生きるために必要なものに事足りる日々を過ごせていると思います。非常時とは、ずっと昔とは、異なった豊かさに、あの頃よりはましだと納得して、そこで止まってしまいます。あくまでも目に付きやすいのは、物言える立場のひとたちの話であって、いまでも暴力も貧困も確実に存在します。金銭的な貧しさもあるが、選べる生き方がわずかしかないひと。そんな状況でも悪くはないと信じて、いつのまにか縛り付けられてしまっているひと。話を聞く、それだけが、それさえも忘れられているのです。
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