ピョートル・ワイリ、アレクサンドル・ゲニス 訳:沼野充義、北川和美、守屋愛『亡命ロシア料理』(未知谷、2014新装版)

旅や仕事で異国の地に長く滞在していると、現地の食事に慣れてくるとともに、故郷の味が恋しくなることがあります。たとえ海外まで行かなくても、数日の間、外食がつづくと、何だか具合が悪くなるひともいると思います。繰り返し作っているいつもの料理は、たしかに平凡なものかもしれません。しかし、毎日同じ料理でも、きっとそのときの気分や体調、天候などに合わせて、気まぐれとも思える微妙な調整をしているはずです。馴染みの味があるから、他の味、異国の味を享受できるのでしょう。そこで、素直な食欲に再会するのです。
TOPへ