働いてお金をかせぎ、そのお金で消費をする。それが、生きること。本当にそれだけでしょうか。いまを生きるうえで、さまざまな制約があります。物資的に豊かになって、自由になったように思えますが、行動の選択にはいつだって不自由さがまとわりついてきます。公園や観光地、さまざまな場所に禁止事項ばかりがならんでいるように。栗原康さんは、「実現されなかった行動まで、ひとつの生というか、生きかたであると考えるならば、わたしたちは無数の生を殺したうえで生きているのだ」と言います。ほんの少しの抵抗する力を、取り返すのです。