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ほとんどの本のように、ある程度多く文字が並んだ文書を読んでいるとして、声に出さずとも口で読むひと、目で追うだけで読むひと、さまざまだと思います。そのとき、文字を見て、口にしても、形や音などをゆっくりと味わうことはないでしょう。短歌は、五七五七七という強い形式があるせいか、文字ひとつひとつの意味や形、単語の音などが異質にせまってくるようです。いや、文字も単語も本来は個性的に存在していて、それに気づかないでいただけかもしれません。誰かのおしゃべり、目に映る言葉たち。そこかしこで文字たちが蠢き出します。