熊谷晋一郎『リハビリの夜』(医学書院、2009)

元に戻す。そのための行為としてのリハビリ。ここには、元々あった正常な理想的状態が前提にあると思います。誰でも当たり前にできることが、同じように実現されず、周囲の奇異な目から逃げ出すこともできないとしたら、自らを否定するしかなくなるでしょう。さらに、身体の物理的な損傷なら仕方ないとされ、心の問題なら努力不足や意志の弱さを責められもします。生きることは、人だけでなく、環境全般に頼り、頼られて成り立つと考えられます。絶対的な強い個への一本道ではなく、弱くても、ゆだね、支えられる関係性が求められているのかもしれません。
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