森田真生『数学する身体』(新潮社、2015)

ひとつ、ふたつ、みっつ。指折り数字を数えます。じゅう、までたどり着くと行き止まり、そこで位があがります。この十本しかない手の指という、人間の身体の条件によって、数の単位が定着したようです。確実な知を求めて、論理的に構築された近寄りがたい数学のイメージからすると、生き物としての姿がそのまま反映されていることに驚きます。頭で考えることと身体を動かすこととが、互いに染み出し合って生きているように、数学にも身体が映り込み、身体にも数学の思考の色が付いているのです。見渡した風景に、数学が見えますか?
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