時代や様式に名前が付けられると、その名前を聞くだけで、「あのことか」と判断してしまうような固定観念が作られがちです。古典や近代といった言葉からも、各々おきまりのイメージが浮かんできます。それならば、いっそのこと知的に重ね合わせてみるのです。すると、互いに通ずる、原理や構造が透けて見えてきます。この重ね合わせこそ、歴史を物語ることであり、建築を体験することではないでしょうか。「重ね合わせにより取るに足らない特徴も意味深い複雑さに置き換えられる」という、美術家のMoholy-Nagyの言葉も引用されています。障壁を貫く、透明性を求めて。