○○史と名の付いた本は沢山あって、歴史の教科書を思い出すと、時代毎の代表的な出来事や人物に注目しながら、全体の流れが語られていたように思います。歴史、と言うと、変遷にこそ目が向きますが、それはつくられた物語なのかもしれません。優れた古い建築が多く遺されている京都に、学生を連れて3泊4日の旅に毎年出かけた建築史家の中川武さんが、「古典中の古典」として現地で解説をした建築たち。それぞれに、見どころとしての建築技術や、つくり手の思想があります。どんな物語を想像できるか、この本を持って、京都に行きたくなります。