主に経済的な進歩の度合いから見て未熟と思われている人たちの、近代科学からすれば合理的ではない考え方。未開人と呼ばれる人たちのことです。それは、野蛮ではなく「野生」の思考であり、現代においても消えずに残り、重要な役割を持っているはずです。例えば、古い神話を読むと、いまではあり得ない想像力を感じるかもしれませんが、具体的な経験に即して、自然と折り合いをつけるための知恵だったと思えます。「効率を昂めるために栽培種化されたり家畜化された思考とは異なる」とLévi-Straussさんが言う、生きた思考が眠ってはいませんか。