高野文子『ドミトリーともきんす』(中央公論新社、2014)

歴史や難しい理論を説明するために、登場人物がいて、物語調で、といったような、漫画という表現を手段として用いている実用書はたくさんあります。本書では、自然科学を扱っています。科学といえば情を交えず論理的に組み上げられるものと考えられますが、科学者の残した言葉に、その思考の過程や感情が現れていることもあります。そんな科学者を漫画にするうえで、「気持ちを込めず」に「静かな線」を描いたと高野文子さんは記します。漫画それ自体が、科学者に寄り添い、ともに考える、その中に、読むひとも招かれていきます。
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